自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。「風の森（かぜのもり）ＡＬＰＨＡ８　大地の力　無濾過無加水生酒」。奈良県御所市の油長酒造さんが醸しているお酒です。 風の森のＡＬＰＨＡシリーズは、定番の「風の森」を外れて、蔵元と杜氏が新たなことに挑戦した物を商品化しています。&n…… more bsp;８番目となる今回のお酒については、裏ラベルで語っていますので、ご紹介します。＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ＡＬＰＨＡ８のきっかけは、奈良醸造の浪岡さんとの出会いから、彼らが造ったビールＵＮＤＥＲＷＡＴＥＲでは風の森の７号酵母、麹、仕込水を使用。このビールに感銘を受けて醸す酒は、予め玄米を焙煎する油長酒造独自の技術、ａｍｏｒｐｈｏｕｓ製法によって醸造。ビールの醸造方法に歩み寄るＡＬＰＨＡ８と、日本酒の醸造法に歩み寄るＵＮＤＥＲＷＡＴＥＲ、共に今までにない新たな醸造酒です。玄米使用率８０％＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊説明が足りないので定かではありませんが、精米しない玄米の使用率を８０％としているので、これらは掛米に使い、麹米はある程度精米した米を使っているのではないかと思います。それにしても意欲作であることは間違いありません。上立ち香は濃醇な酒エキスの香りが。玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に気泡をたっぷりと包含したとろみ層を乗せて、重々しく忍び入ってきます。 受け止めて保持すると、気泡の破裂をＢＧＭにして、ゆるゆると膨らみ、拡散しながら、適度な大きさの粘り気の強い粒々を次々と射掛けてきます。粒から現出してくるのは甘味７割、旨味３割。甘味はザラメ糖系のやや濃いタイプ、旨味は複数の個性的なコクがミルフィーユのようになった印象で、両者はどっしり、ゆっくりと舞うのです。 そこに流れてくる含み香はマスカットにたっぷりの米糠の香りが入り混じって。後から大量の酸味と渋味が現れて、多彩な甘旨味と混ざり合って、さらに賑やかになりながら、熱帯の世界を描くのです。終盤までメリーゴーラウンドのように味わいが変化を続け、飲み下した後の余韻も重々しいものでした。挑戦作なのだから、仕方ありませんが、風の森とはまったく違うお酒です。 お酒の情報（２２年１４９銘柄目）銘柄名「風の森（かぜのもり）ＡＬＰＨＡ８　大地の力　無濾過無加水生酒　２０２１ＢＹ」酒蔵「油長酒造（奈良県御所市）」分類「純米酒」「無濾過酒」「生酒」原料米「秋津穂」使用酵母「不明」精米歩合「１００％（麹米の精米歩合は不明）」アルコール度数「１６度」日本酒度「不明」酸度「不明」情報公開度（瓶表示）「△」標準小売価格（税込）「５００ｍｌ＝１６５０円」評価「★★★★（９６点）」 close

奈良「風の森　ＡＬＰＨＡ８　大地の力」甘味も旨味も濃く、酸渋、含み香と熱帯の世界を描く