松の司です。先日、土壌別仕込みという、畑違いのテロワールにフィーチャーした商品のリリースが始まりました。詳細な解説もあってマニアにとっては非常に楽しそうな商品ですが、そのまえにこっち。これも先月リリースがあったばかりの新商品はせがわ酒店とのコラボPB商品になります。　まあ俺がやら…… more ずして誰がやんねんといったところです。パッケージは陶芸家植葉香澄×建築家岡田良子（SpaseClip）ということでそっちも注目。というか建築家のほうは知らんねんけど、陶芸方面で植葉さんは超有名。凄いとこ引っ張ってくるな、すわ陶器ボトルか！と期待したのですが絵だけでした。そりゃプロダクトでも瓶代だけで5000円とかなりそうだししゃーないよね。愛山21、3万円です。松の司はむかーし愛山やってたと思うけど今はやってないよね。つか今のんで美味しいお酒なのかは疑問アリ。29BYだとすると松の司の高精白はこの時期はまだ早い。まあこの価格なのでリリースされたということは今飲んで不味いということはなかろうと信じて開けます。当然特A地区の愛山で、それもド本流、田中孝英氏が栽培責任者となっています。いざ。華美に香るというお酒ではないですね。松の司らしい感じで微かにメロンなどもありつつ、酸味やミネラル、旨さを感じさせてくるような香り。まあいつもの金沢酵母でしょうからね。さすがに美味いな。育っても美味いだろうけど今飲んでよいかなあこれは。エレガントとしか言いようのないバニラ系の香りがふわーっと漂って鳥肌。寝かせでこういうニュアンスが出るお酒がありますが、これ寝かせると、ちょっとこの部分が熟れ過ぎちゃうかなと。そこに極めて繊細にマスカットやブドウといったフレーバーが入ります。味わいはきりっと澄みつつしなやかで、かつきちんとパワーがある。甘いという感じではないですが、余韻まで極めてゆっくりなクレッシェンドで甘い雰囲気と旨さは感じさせてくれる。酸も高くはないけど、澄んでる分感じるのと、伸びやか。あとはまあこれは好みがわかれるのですが、いつのも松の司のややアタックが強いというか、ギザギザした味わいの旨味ですね。個人的にはこれパワーがあって好きなんだけどな。ビターさと酸がある感じですね。余韻は長く存在感がありながらも清々しい。一呼吸置くとさらに良いですね。クリスタルななかに、朝の露のような清冽さで微かに香る。と同時にしなやかにバニラリーな風合いが広がり。しっかりと力強く旨味の足跡を残して、長い余韻。余韻のミネラル香なんか絶頂もの。はっきりいって万人にはお勧めしないですが流石の世界観ですね。低音でゆっくり丁寧に美味いこと寝かせればさらに育ちそうですが、個人ではうまいこと扱える自信はない。カジュアルに飲むような酒とは違いますが、グランヴァン的なジャンルとして間違いなく日本のトップにある蔵元だと思います。最高級の米を使って、それの力をここまできっちり出すというのは。龍力とこことかくらいじゃないのかなあ。澤屋まつもともあれだけど、まだちょっと若いよね経験が欲しい。あとはそれぞれ志向する方向の違いはあるけど、フロンティア東条21の面々ですか。醴泉の蘭奢待とか飲んでみないとな。しかし旨いね～上がってくるね状態が。甘みも開いてくるよ。甘露だね。ボリューム大きくはないけど瑞々しく、清々しく、深く、腰が据わってるんだよな。香りもヤバいしミネラル香もヤバいし神。旨味はまだ育てれば開いてきそうだけどね～。ギザつきはそんな気にならないで、フィニッシュがややミネラル的に辛いくらい。うまい。神。3万はあれだけど、日本酒の場合1万以上のってどれも同じってかほぼ市場がないも同然だからな。ワインなら1万は普通で、3万、5万、10万以上の基地外カルトワインってクラス分け出来てるけど。日本酒の場合は5000円以上は同じカテゴリになっちゃうからなあ。一つの到達点であることは間違いない。違う山はあるだろうけど、今僕が認識している山の中では、この山脈が一番普遍的で広く世界に受け入れられ、尊く高いかなと。その山脈の中でもトップクラスの名峰。だんだんメロン的な甘みが出てくるのと、鮮やかなミネラル名刀の切れ味。うっとり～。 close

松の司 純米大吟醸 aiyama21 29BY