いちおう言っておくと、そこまで澤屋まつもとに入れ込んでるわけでもないし、マイフェイバリットというつもりもありません。これまでも単年で個人的なブームが来ても飽きて後はさっぱりという銘柄も多かったし。僕の好みも、蔵元の造りも移り行く幻のようなものですからね。ただ今年、良いとされるお米…… more フェチになりつつあることもあって、そこにいい具合の限定っぽいの出してくるんで本数増えちゃうんですよね。いまも5本くらいは冷蔵庫にあるし。実際うまいです。僕のおすすめはno titleと、あと適当によさげなの買って自家熟成して遊ぶことです。で、このシリーズを何というのかいい加減に蔵元で定めてほしんだけど（笑手書きでShuhariと書いてあるシリーズです。日本酒ブログ界隈でもこれを大々的に宣伝しだしたのが僕なんで責任取って今回も人柱に。今回のは複数の酒屋で取り扱ってますし、かなり本数も出てるみたいですね。手書きだからよくやるなあと思うけど。まだ余裕で買えるのは、僕の影響力のショボさね。麹米と掛米で違うお米も使うミックスレシピで、特に最近麹米には良い米（山田錦）という蔵が多いです。やっぱり何よりも麹造りが大事といいますので、違うんでしょうね。山田錦は失敗しないとか、すきっとしたいい香りがするとか、そういった声の枚挙にはいとまがないですが。お米にうるさい蔵元なので、これまでミックスはやらずむしろ単一ってとこに拘ってたと思うのですが、その意味でチャレンジタンク。さらにあえて雄町を麹に、掛に山田をもってきたとこも実験みたいです。たかちよがTakachiyoシリーズでたしか雄町麹とか愛山麹とかやってましたよね去年。飲んだ人どうでしたか、僕はちょっとたかちよはあんまりなので……。さらに生酒です。この蔵はあんまり生は出さないんでね。僕も生初めてなんですよね～。つかこの早い時期に飲むもの初めてなくらい。おお、いいねえ。さすがに手書きで出してくるだけはある。まずガスは大したことないです、火入れとそんな変わらずに、じゅわじゅわではなくて、まあ程々。だから火入れでもあんだけガスあるってのはよっぽど低温で丁寧に絞って、即詰めして、いい設備で瓶火入れしてと。その辺がうかがえますよね～。蔵の規模にもよるので一概には言えませんが、この辺はほめてあげないと。儲かった分設備投資に回す蔵と、フェラーリになる蔵の2タイプがあるんですよｗ味わいも香りもいつもより3割増しくらい。その意味では近いのはうるとら大吟醸なんでしょうが、全体のバランスと質感において圧倒的にこっち。香りはいつもよりリンゴ果汁強めっぽくて、そこにふんわりとバニラのニュアンス。味わいもリンゴ成分増しなんですよ。酸がジューシーに、果実感をもって存在して、明るくてカラフル。その中に程よく瑞々しい甘さがすこし奥ゆかしくあって、ここの甘酸のバランスはベスト。しかしただジューシーなだけじゃなくて、ふんわり美しくこの蔵らしい引き算の美学も感じ。また時間の流れがslowlyに感じられるような世界観。当然全体には澄んだ液体の中に、リンゴジューシーの後は、やさしくバニラの香りと味わい。ふんわりと極めて優美で官能的。若いからドライなんかなーと思ったらいつもよりココもはっきり感じさせるくらい。ただ太いなって感じはなく、味はいつもより出しても、この蔵らしい繊細さで均整の取れたボディラインです。あとはするりと滑り落ちる中で酸味やガスを感じさせつつ、旨味に焦点を当ててます。ココの演出と造りこみもマジにうっとり来ますね。すこしまだ若くて、いつもよりはややビターですが、うっすら甘やかな香りとともにミネラル感がたって。濃い分いまでもはっきり感じる甘いミネラル香に紅茶への道程が見えます。味わいとか香りでも残るんですが、舌に触感として気持ちよい感触がずーっと長く残る。控えめに言って神。新酒でこれ出されたらぐうの音も出ない。生熟用にもう1本購入してはおったのですが、恥を忍んで言うとさらに2本買い増ししました。よし、これで3年熟成までは戦えるな！あえて言えば少しエキスとかビターさが出てくることは否めませんがね。いつもよりも太いんですが、そこが気になるなら強めに冷やして飲んでください。最初の1杯が一番うまかったような気もします、明日は不明ですが。ただ僕がこの銘柄をほめる理由は十二分に感じ取ってもらえるはず。むしろいつもよりも、ビギナー向きに仕上がってるので初体験にいいかもね。さいしょSSかとも思いましたがとりあえずSにしときます。ちょっと苦味が強く出てくるのだけ気になるかな。 close

澤屋まつもと 守破離 雄町×山田錦 生酒 29BY