日本を代表する銘酒「作」をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。３本目はこれです。「作（ざく）純米吟醸　山田錦」。三重県鈴鹿市の清水清三郎商店さんが醸しているお酒です。 新築された事務所棟にはふんだんに三重県産の木材が使われています。玄関前の軒天羽目板には山間部に雨が…… more 多く、気候が温暖で良材が取れる熊野杉を採用。２階のホール入口の扉は伊勢神宮の森から伐採、搬出された神宮桧が使われています。木目が非常に細かく、木の持つ油が強い為、腐りによる損傷があるものの、それすら本物の神宮桧ならではの特長だそう。 一階ロビーの照明には伊勢神宮の皇大神宮別宮・瀧原宮の森から搬出された杉を採用。２階の接客用のオリゼーホールに据えられたテイスティングカウンターは長さ６．３㍍、幅６０㌢の伊勢の森（伊勢湾に注ぐ櫛田川、宮川流域の森）から伐採・搬出された見事な伊勢杉が使われていました。しかも、ホールにはびっくりしたことに、スタンウェイの新品のピアノが鎮座していました。２０００万円はする代物です。「作」が売れて、清水清三郎商店の懐が温かいことを物語っておりました。 さて、３本目は「作」純米吟醸酒シリーズの中でも、三重県産の山田錦を使った限定品になります。５５％精米です。 上立ち香はイソアミルの優雅な香りが鼻腔をくすぐります。口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を薄らと張って、ツルツルの感触を振りまきながら忍び入ってきます。 受け止めて保持すると、自律的に流れるように膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのクリスタル様の粒々を連射してきます。粒から滲み出てくるのは甘味８割、旨味２割。甘味は９９．９９％純度で透き通ったタイプ、旨味は純粋無垢で絹ごし豆腐のような滑らかな印象で、両者は足並みを揃えて、エモーショナルな舞いを披露します。 流れてくる含み香はフルーツバスケットから漂う甘い香りでデコレート。後から酸味と渋味は僅少現れて、甘旨味の隠し味役に徹するのです。高貴でエレガントなハーモニーが続き、飲み下した後の余韻も短くすっきりしたものでした。それでは続いて４本目の「作」をいただくことにします。 お酒の情報（２２年２４５銘柄目）銘柄名「作（ざく）純米吟醸　山田錦　２０２１ＢＹ」酒蔵「清水清三郎商店（三重県鈴鹿市）」分類「純米吟醸酒」原料米「三重県産山田錦」使用酵母「不明」精米歩合「５５％」アルコール度数「１６度」日本酒度「不明」酸度「不明」情報公開度（瓶表示）「△」標準小売価格（税込）「７５０ｍｌ＝２０９０円」評価「★★★★★（９８点）」  close

三重「作　純米吟醸　山田錦」高純度の甘味と肌理の細かな旨味が高貴な世界を描ききる