兵庫県のお酒造りで初めて知った色々なコト @ 龍力 本田商店の詳細

兵庫県のお酒造りで初めて知った色々なコト @ 龍力 本田商店
まき子の酒
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記事タイトル 兵庫県のお酒造りで初めて知った色々なコト @ 龍力 本田商店
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飲み仲間の先輩宅へ、初めて 龍力の半斗瓶(=約10リットル) を飲みに行ったのっていつだったっけ?…ってblogを遡ってたら、4年前の夏、まだムスコが9ヶ月の時だった。(↓ その時の写真) 飲兵衛の先輩たちに遊んでもらって、キャッキャ楽しそうだったのを思い出す。その秋に私は神戸に…… more 引っ越したワケだけど、それ以来、先輩は毎年3月に 姫路 にある龍力の蔵元さんへ来ている。何故かというと・・・この半斗瓶にまた新たな龍力を詰めてもらい(=購入して)みんなと一緒に飲むため。そのために、空になった瓶を蔵元さんへ自ら運んでくるという。(この半斗瓶は諸々ワケがあり、もう入手不可能なのでリサイクル)姫路といえば、神戸からJRで50分くらいで、東京から来る先輩に比べたら私の方が近いのだけど、ムスコがまだ小さかったりと、なんやかんやとご一緒できる機会がなく…でも!今回!ようやっと!一緒に 龍力 を醸している 本田商店 さんに行ってきましたー!しかもムスコは相方が カビゴン狩りに拉致 面倒見てくれるってことで完全フリー♪本田商店さんでは、よく酒蔵ツアーイベントなどで大勢の蔵見学もやっているみたいだけど、今回に限っては、完全に先輩の “個人的” な訪問、そして私は “金魚の糞” 。最寄駅は、姫路駅の少し西にある 網干駅 から徒歩で数分、ほんっと近くて駅から “ババーン!” と大きな建物が見える。先輩曰く、この向こうの一画ほとんどが本田商店さんだとか。線路を渡ると、まず母屋。その向こうに事務所。まずは “儀式” のために、こちらの事務所へ。なんの “儀式” かというと・・・半斗瓶返却の儀式(笑)!面白すぎです、先輩たち...って、もちろんそれだけで終わるワケではなく。蔵に来るのは初めての私にもいろいろ説明をしてくださる若手の蔵人、北原さん。龍力は吟醸造りに拘っていること、そして使う酒米は特A地区の山田錦に拘っているとのことなどなど。そんな話を聞いていて、素朴な疑問が…っていうか素人なのですんません…特A地区ってよく聞くけど “何が” 特Aなんだろう?!そんな質問に、こんなMAPを持って来てくれました。ピンクのところが「特A地区」。へえ〜〜〜意外!もっと1つにまとまった地域にあるのかと思いきや、けっこうバラバラと分散してる?と、タイミングよく、専務の龍祐さんがご挨拶に来てくださってものすっごい熱心にいろいろ教えてくれました。=== ここからは『特A地区』に関する備忘録 ===最初にイイワケしときますが、勘違い?間違ってる部分?もいっぱいあると思いまーす(笑)。遠慮なく突っ込んでください。●村米制度現在の「特A地区」は主に3つ。社町(やしろまち) 東条(とうじょう) 吉川(よかわ) MAPで枠線に囲まれているたくさんの地名が、昔でいう「集落」なのかな。これには 灘の酒蔵 が 村米制度 というのを始めたことに端を発するんだそう。ってことは「特A地区」って!兵庫の!このピンポイントしかないの〜?!びっくり…いや…日本全国に「特A地区」があるもんだと思ってたもので(汗)。この「村米制度」ってのは、まだ山田錦が生まれる以前、税制改正のあった明治7年ごろまで遡る。 農家「酒米より飯米の方が育てるのが楽だし金になる!!」灘の酒蔵「そんなこと言ったら、酒米育たないじゃん!」「お酒造れないじゃん(汗)!」農家1「でも金にならない酒米なんて作ってらんないから。」農家2「おーそうだそうだ作ってらんない〜。」農家3「うちも飯米作る〜。」なーんてことになってきたので、灘の酒蔵「そしたら、あんたんとこの村の酒米、うちが全部買うから!お願い!作って!」…って感じで、一農家だけではなく『村単位』で酒米の 契約栽培 が始まった、と。ただ、すべての村で買取価格が同じってのもアレなので、格差(金額の差)をつけたんだそう。一番最初は2つのエリアにしか分類されていなかったのだけど、次第に2つのエリア同士で「俺の方が上だ!」「いや!俺の方が上だ!」って喧嘩が起こったので、昭和27年に「A・B・C」に分けた。でも、やっぱりA・B・Cそれぞれの間でもまた「うちのが良い酒米作ってるんだから金額を上げろ」とそれぞれが言い出すので、今度は「AのA・B・C、BのA・B・C、CのA・B・C…」って!きりがなーーーい(笑)!で、その後もいろいろ交渉があって、集約されて、現在では「特A」ってのが最上級とされているんだそう。(ん?あれ?最後端折りすぎ?(笑))●良い地質と気候最初、専務が言ってた言葉は「モモイロ(桃色)ナイト」だと思ってました(汗)。初めて聞いた言葉だったから、家に帰ってきて調べてみても「桃色ナイト…なんてないよなぁ」とあれこれWEBリサーチしてたら辿り着いた… モンモリロナイト かぁ!もとい、「特A」として認められた地区は、良いお米が育つワケがある。その一つが モンモリロナイトっていう粘土質の土壌 。もう一つの大きな地域特性としては、昼と夜の温度差が10〜15℃もある場所。この温度差が、稲のに実りを大きくするんだとか。モンモリロナイトの土壌は、ここと、あと新潟と、もう一つなんちゃら島(これは失念)。でも、昼と夜の温度差がある方が良いという意味ではやっぱり「特A地区」が最適なんだとか。●山田錦しかない場所「品種ってのは5世代目にもなると、普通は変わるんだよ!」と専務。お米は試験管の中で育ってるわけじゃないから、例えば隣の田んぼで違う種類のお米が育ってたら、風にふよふよ飛ばされてきた違う品種と交配しちゃうのは当たり前。でも特A地区では、山田錦しか栽培していない。だから安定した質の良い山田錦を作ることができる。●龍力が『特A地区の山田錦』をいっぱい使えるワケこれまでの話を聞いてると、また疑問が。なんで龍力は『特A地区の山田錦』をいっぱい使うことができるんだろう?これも面白い話で。何年前に遡るのか聞くのを忘れたけど、近代になって「質が良い」=「価格が高騰」ということで 山田錦がたくさん売れ残った時期があったんだそう。そんな時に乗り出したのが「本田商店」さん。農家さん「山田錦、いろいろ余ってます。選びたい放題です。」そうなれば特A地区の良いものでしょ。そんなわけもあり、今でも『特A地区』との信頼関係も厚いんだとか。───── 私の記憶(と個人的に調べたのも含め)にあるのはこんなとこでしょか。。。もっと専務はいろいろお話ししてくれたけど、長くなるのでここらで “留め”。この後は、酒蔵を見学させてくださることに♪ いえーい!よく見る酒米。面白いのは、真ん中にある「神力」。これはもともと「飯米」。他の「酒米」と何が違うかって、背丈も違うけど、葉っぱの長さ。「飯米」は食べると美味しいので鳥たちの好物=稲穂を守るために葉っぱが長い。「酒米」は鳥にとっては美味しくないらしく、稲穂がついてる方が葉っぱより長い。本田商店さんでは、すべて自家精米。精米機がまた…ド迫力!!お米にこだわっているから、精米を外注に出したくないんだそう。お米を入れている「この袋をくれ」という怪しい人もいるとか…何に使うんだか!やばいわ!というのも、しっかりランクづけされている『検査証明書』が袋に書かれている。勝手に持ち出されて、この袋にテキトーなものを入れられたりしたら、それこそ大変!袋の管理も大変そう。洗米機は写真にはないのだけど、大吟醸向けの小さなバブル洗米機と、それ以外のと分けられてる。甑(こしき)が3つもある ってのは初めて見たーー!さすが2,000石…。麹室(こうじむろ)も、全部で4つ?!?!ここでは昔ながらの小さな 麹蓋 が使われてる。「麹」を高温の部屋から出して一休みさせる部屋が欲しいということで作られたこの部屋は、蔵人さんたちのDIY!それなりに、、というかしっかり立派!すごい、、、こんなの作っちゃうなんて。あと、個人的に面白かったのは、この設備(笑)。あとあと知ったのだけど「たくさんの人が蔵見学に来るからなんだろうなぁ〜。」っていうのが、ここ以外にもあちこちに。本田商店さんでは吟醸造りに拘っているので、吟醸造り専用の「吟醸蔵」がある。そこから階段を上がると、こんな「安全」にタンク内のもろみが見えるようになってる。この取り外し可能な格子も、蔵見学の人たち落ちないように…ってことなのかな。YK35吟醸酒専用蔵 という出品酒専用の仕込み蔵なんてのも!すご〜。仕込んだお酒を絞る機械「やぶた」(自動圧搾機)も2種類で、本醸造などなど用とウリの吟醸酒用とに分けられている。ちょうど「秋津」が絞られていたので、味を利かせてもらえました♪「しっぶ〜」っていう先輩の顔がウケる〜(笑)。搾りたての味ってなんとも荒々しいんだけど、私はそこに “可愛さ” を感じてしまう・・・寝かせればもっと成長する “赤ちゃんの味” というか。北原さんに聞いてみると、これはもちろんすぐに出荷されるわけではなく、秋津は味が乗るまで時間もかかるので、だいたい3年くらいは蔵で熟成させるんだそう。3階には 酒母室 。「作業中は話しかけないこと!」「関係者以外立入禁止!」の張り紙も観光客用なのかな。その隣にあった 生酛室 ってのに私は興味津々。「吟醸造り」に拘ってるのに「生酛室」って?!今の妙な「生酛ブーム」に乗っかって?!って思いきや、これは「本田家」として元禄時代から続けてきた生酛造りを後世に残したいからなんだそう。そして4Fの屋上へ。うあ〜〜〜!!気持ちいい〜〜〜!!!地平線に見えるあの島は「小豆島」だとか!わかるかなー?わからないと思うので写真拡大しちゃいました↓駅から “どどーん!” と見えた看板文字も目の前に。気持ちの良い風が吹いてくる〜これだけ大規模な酒蔵見学をしたのは久しぶりかも。そして「特A地区」っていうのをきっかけに、灘の酒蔵と山田錦のつながりについての話も、すっごいお勉強になった。だからと言って「山田錦が一番だーー」って言いたいワケじゃない。だって『特A地区の山田錦』を使ったって、そこの蔵元さんの目指すお酒に合わないなら“チグハグ”な出来になっちゃうだろうし、逆に酒造好適米ではない『等外米』を使ったって、美味しいお酒を造る酒蔵さんもある。それに個人的には「玉栄」「五百万石」「強力」「美山錦」「佐香錦」などなどで造られたお酒のお燗も、だーいスキなのでーす♪ようするに・・・『個性』と『バランス』?!人間だってみんながみんな同じじゃ魅力がない。どこもかしこも「山田錦」じゃツマラナイ。…なーんてこと、こんな小娘が言うまでもなく、きっと酒蔵さんはそれぞれにコンセプトがあって造ってるはず。「他とは違う何か」それが龍力の本田商店さんは『特A地区の山田錦』という話、なのかな。実は、わたくしごとですが・・・ムスコの入園を機に今度の4月半ばから某酒屋さんでお昼の時間だけ仕事をさせていただくことになりまして。「神戸の日本酒事情を変えたい!」って思いつつも、そんな仕事をするなら地元「灘」のことも知っておかなきゃいけない…なのにまだ全然勉強不足、お恥ずかしながら村米制度ってのも初めて聞いたワケで…今回、本田商店さんで色々聞いた話はただ勉強になっただけじゃ無く、もっともっと色々知りたいな〜とすっごい良い刺激になりました。連れてきてくれた先輩はもちろん、専務の龍祐さん、蔵人の北原さん、そして連れてきてくれた先輩も!本当にありがとうございました! close

兵庫県のお酒造りで初めて知った色々なコト @ 龍力 本田商店
サイト名 まき子の酒
タグ 酒蔵巡り 酒造
投稿日時 2017-03-29 14:29:00

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