手取川のフラッグシップといってよいお酒だと思います。ここのお酒はだれが造ってるのかよーわからんのですよね。もともとベテラン能登杜氏の山本杜氏がメインで、前社長の息子さんという吉田行成杜氏が吉田蔵というラインを担当する2人杜氏制みたいなことをやってました。そこに次期社長の六代目プリ…… more ンス(笑)吉田泰之氏が担当したお酒も出始めてとにかくややこしい。軽くググってもわからんのだが山本さんはまだやってるのか？引退したのかねえ。とりあえず露燦然。3年前くらいまで露堂々という名前だったのですが、どうも出羽桜かどっかが商標取ってたみたいでこりゃ遺憾ということで露燦然に変わりました。兵庫産の山田錦40の大吟で、そのあらばしり部分を斗瓶で囲って無濾過生のまま-10度で半年熟成と。スペックだけ聞くとなんかもう最高に旨そうだなという感じです。酵母はお得意というかここはこれしか使わないですが、金沢酵母。一応自社培養のものみたいですが。注いだ段階でややとろみ。立ち香は派手過ぎず程よく残っていて、そこにやや妖艶な雰囲気。昔バラのような香りってコメントをよく見たんですが、確かにわかるなという感じです。一部の熟成酒は元の酵母の違いはありますが、何となくこういったやや妖艶な雰囲気が出るものがありますよね。おおう。振り切ったお酒ですね。熟成によるしなやかで腰のある甘み。円さもありつつ本当に力があってぐぐぐーと続いて押してきます。これが妖艶なニュアンスと深みをもって、とにかく長く長く続きます。この甘み一本槍。酸は相当低いはずです、雰囲気としてチャーミングでキュートなものは出てますが。また全体のボディは綺麗で、澄んだキラキラ感もあります。ただとにかくこの熟成酒の甘み。甘旨いという感じで、とにかくこれがが押してくる。あとはややビターで、生酒っぽいひと沈みでフィニッシュ。まあ比べるとすると、梵の超吟とか、あるいは黒龍の石田屋あたりなんですかね。路線としてはあっちだと思います。それよりも熟成が浅いんですが、生ということとさらい荒走りというところでバランスとってるのかなと。はっきりしっかり熟成の甘みが出ていて、それにかかわらずボディは綺麗で元はともすれば軽快なタイプかなというくらい。少しフィニッシュのところなんかはまだ硬いかなって気もしなくもないけどね。たとえばこれを火入れの中取りにして、3年熟成にしたらどうなのか。酵母つながりでいうとまだ買ってないけどこの後やるであろう松の司あたりとの比較も楽しみ。うーん14合はやっぱ寝かせてなんぼな感じもしますね。味わいとしては十二分に満足できるもの。好き嫌いはともかくとして熟成酒、高級酒のなかで、こういった路線が一つの完成形としてあるんです。これは味わっておいて損はない。先に挙げたその手のお酒なんかと比べてもまだこれは安い方ですしね。生熟ですが-10度の力なのかヒネとかネガティブ要素はなし。香りはなんていったらいいかねえ。紅茶、ローズ、妖艶さのある生花、花畑。あとはあえて言えば少し飴っぽいか。まあでもいいね。イカや甘エビの刺身のような、ねっとりとした甘みのあるものと抜群に会います。それに負けないだけの強さがあるんですね、甘みに。それこそ白エビとかもそうですし、カニ、生ガキやウニなんかもいいかもなあ。正月の高級食材ホイホイですよ。フィニッシュに向けてやや硬いというかミネラリーでキュッとしてるとこもいいですね。これはうまいっす。ほんとお正月にどうぞ。4合1万は結構ビビるけど、4合4000円ならまあ手出しやすいっしょ。時間たってくると香りからミネラル感あるなーって感じ。味のほうもバリバリ。また明日。 close

手取川 露燦然 大吟醸 斗瓶取り 無濾過生 28BY