自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。「楯野川（たてのかわ）純米大吟醸　クリスタル　PRAY　FOR　UKRAINE」。山形県酒田市の楯の川酒造さんが醸しているお酒です。 このお酒は売り上げの一部をウクライナの支援のための寄付に当てることを目的に発売したものです。&n…… more bsp;４月に楯の川酒造の姉妹蔵である奥羽自慢が、ウクライナの子供達を支援する目的で「シードル」を発売し、約１０００本を販売したことから、楯の川酒造も続こうということになりました。この「クリスタル」を５月１３日から６月１０日の期間限定で販売し、その売り上げの一部を特定非営利活動法人、国連ＵＮＨＣＲ協会を通じて、ＵＮＨＣＲ（国連難民高等弁務官事務所）のウクライナ緊急支援に寄付することにしたのです。結果は６９万４０００円の寄付を実施しています。想像するに１本２００円として３５００本ほどが売れたのではないでしょうか。こうした寄付活動は地味ですが、やはり、多くの酒蔵さんが断続的に実施してほしいものです。 クリスタルのお酒は酒米非表示ですが、おそらく地元産の出羽燦々、５０％精米の純米大吟醸、一回火入れです。上立ち香は大人しめの酒エキスの香りが。口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽やかに忍び入ってきます。 受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を連射してきます。粒から滲み出てくるのは甘味７割、旨味３割。甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプルで平板な印象で、両者は仲良く肩を並べて、ゆったりとしたテンポで踊ります。 流れてくる含み香は儚い細身の甘い香りで薄化粧を付与。後からくるのは渋味が適量で、味わいにしっかりとした輪郭を形作ります。甘旨味は折り目正しく、端正な舞いに終始し、最後は反転縮退して喉の奥へと吸い込まれて行きました。味わいはいつもの楯野川と同質でした。 お酒の情報（２２年２４９銘柄目）銘柄名「楯野川（たてのかわ）純米大吟醸　クリスタル　PRAY　FOR　UKRAINE　２０２１ＢＹ」酒蔵「楯の川酒造（山形県酒田市）」分類「純米大吟醸酒」原料米「不明」使用酵母「不明」精米歩合「５０％」アルコール度数「１５度」日本酒度「不明」酸度「不明」情報公開度（瓶表示）「△」標準小売価格（税込）「１８００ｍｌ＝３６３０円」評価「★★★★★（９７点）」  close

山形「楯野川　純米大吟醸　クリスタル」オーソドックスな甘旨味の舞いを渋味がしっかりと囃す