日本を代表する銘酒「作」をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。最後の６本目はこれです。「作（ざく）IMPRESSION-M　純米原酒」。三重県鈴鹿市の清水清三郎商店さんが醸しているお酒です。 今回、商品デザインをリニューアルするに当たって、商品のロゴ（書）も一新する…… more という英断を下しています。揮毫したのは日本書鏡院の３代目会長である長谷川耕史氏。今回のロゴについて長谷川さんは次のように話しています。＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊この度は１５０年という節目に大変光栄なお話をいただき、心より感謝いたします。重責に負けじと試行錯誤を繰り返し、精魂込めて生み出した作品は、自分でも最高のものになったと自負しております。お酒とともに時を超え、いつまでも輝き愛されるロゴになればと願っております。＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊以前のロゴに比べると全体的に円くなり、筆の穂先の動きが減って大人しくなった印象を持った空太郎は最初はやや違和感を持ちました。しかし、ずっと眺めていると、むしろ、すっと体に受け止めて行ける気がして、段々、「こっちの方がいいかもしれない」と勝手に感じた次第です。 さて、最後の６本目は「ＩＭＰＲＥＳＳＩＯＮ（インプレッション）シリーズ」の３本目です。雅の智をベースにした直汲みということで、「Ｍ」です。上立ち香はフレッシュで涼やかな香りが微かに。玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡を適度に乗せて、軽快なテンポで滑り込んできます。 受け止めて保持すると、気泡のプチプチとした破裂をＢＧＭにして、膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。粒から滲出してくるのは甘味７割、旨味３割。甘味は上白糖系のサラリとしたタイプ、旨味はシンプル無垢な印象で、両者は足並みを揃えて、気泡の破裂を背後に聞きながら、心地良さそうにワルツを踊るのです。 流れてくる含み香は前の２本よりも華やかなカプロン酸エチルの香りでデコレート。後から酸味が僅少、渋味がそれよりもやや多めに現れて、適度な力で引き締めるのです。甘旨味は刺激を受けて、よりシャキっとした態度でキビキビと舞い、気持ち早めに反転縮退して昇華して行きました。四合瓶２０００円以下の日本酒としては、おそらく最高峰のレベルの仕上がりです。高額の大吟醸を飲む必要はありません。 お酒の情報（２２年２４８銘柄目）銘柄名「作（ざく）IMPRESSION-M　純米原酒　２０２１ＢＹ」酒蔵「清水清三郎商店（三重県鈴鹿市）」分類「純米酒」「無濾過酒」「原酒」「直汲み酒」原料米「不明」使用酵母「不明」精米歩合「６０％」アルコール度数「１６度」日本酒度「不明」酸度「不明」情報公開度（瓶表示）「△」標準小売価格（税込）「７５０ｍｌ＝１７６０円」評価「★★★★★（９９点！）」  close

三重「作　IMPRESSION-M　純米原酒」微細な気泡の破裂を背景に甘旨味が完璧なハーモニーを