福島県南部の白河市周辺を旅し、夕食には福島県のお酒を堪能しました。二日目の夜は、白河市の南東に位置する棚倉町にある人気寿司屋「小判寿司」さんにお邪魔しました。１本目にいただいたのはこれです。「寫楽　純米」。福島県会津若松市の宮泉銘醸さんが醸しているお酒です。 小判寿司の…… more お話です。空太郎は、食べログの情報はあくまで参考にしかならないと思っていますが、今回はそのまま鵜呑みにして、全国寿司屋ランキングを見ると、小判寿司はなんと４．１４点で全国５４位にいます。ベスト１００の中の寿司屋で住所が「町」というのは多分、小判寿司さんだけでしょう。仙台の寿司屋で修業した大将が自分の出身地である棚倉町に店を出したという経緯なのですが、その実力が寿司通の耳に届き、首都圏などから連日、寿司を食べに来るのです。すごいことです。 さて、美味しい寿司に合わせて、頼んだのは福島県で飛露喜に次ぐ人気銘柄の寫楽です。６０％精米の定番純米酒、一回火入れです。上立ち香はナチュラルなイソアミルの香りが適度に。玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快に滑り込んできます。 受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を連射してきます。粒から滲出してくるのは甘味７割、旨味３割。甘味は上白糖系のサラサラとしたタイプ、旨味もシンプル無垢で、両者は足並みを揃えて絶妙なハーモニーを奏でます。 流れてくる含み香も抑制の効いた芳しい香りで薄化粧を付与。後から酸味と渋味が僅少現れて、薄氷の輪郭を形成します。甘旨味は終盤まで同じリズムで踊り続け、最後は反転縮退して昇華して行きました。素晴らしい仕上がりでした。それでは、福島酒三昧の二日間の５本目を紹介いたします。 お酒の情報（２２年１４５銘柄目）銘柄名「寫楽　純米　２０２１ＢＹ」酒蔵「宮泉銘醸（福島県会津若松市）」分類「純米酒」原料米「不明」使用酵母「不明」精米歩合「６０％」アルコール度数「１６度」日本酒度「不明」酸度「不明」情報公開度（瓶表示）「○」標準小売価格（税込）「１８００ｍｌ＝３０８０円」評価「★★★★★（９８点）」  close

福島酒三昧④「寫楽　純米」凜々しくもマイルドな甘旨味が見事なハーモニーを奏でる