MONTHLY REPORT ── 2018年9月に呑んだ日本酒のまとめ ▪︎2018/9月 (合計10本＝1升瓶×2本、4合瓶×8本)JUMP：INDEXOn ListNot On List? ☆＝marvelous (ワールドクラス、驚くべき酒) 　◎＝excell…… more ent (特に優れている) 　◯＝good (問題ない) 　△＝insufficient (物足りない) 　Ｘ＝faulty (失敗している) 　ー＝indeterminable (判定不能)　※「On My List」の酒に「Ｘ＝faulty」はない。「Not On My List」の酒に「☆＝marvelous」はない。「ー＝indeterminable」は便宜的に「Not On My List」へ振り分けるが「List」へのジャッジはない。 ▼画像CLICKで該当記事にJUMP Judgement：On My List　［sake index］☆marvelous/◎excellent/◯good/△insufficient［？］ 　◯ろくまる 　◎櫛羅 　◎櫛羅 　◎仙禽 　◎篠峯 　☆黒澤 　☆長陽福娘 　☆J. Selosse 　◎B. Servenay 　◎V. Fanniere 　◎V. Couche 　◎Leflaive 　◯Clos des Lunes 　◯Ca N'Estruc Judgement：Not On My List　［sake index］◎excellent/◯good/△insufficient/Ｘfaulty/ーindeterminable［？］ 　◯山泉 　◯八海山 　△越乃寒梅 This Month's SAKE INDEX 'On My List ' is garnet ▷▷▶︎ 【684/◯】裏篠峯 ろくまる 八反 うすにごり 生酒 29BY ＜奈良＞ 【685/◎】櫛羅 純米吟醸 中取り 無濾過生原酒 2017 (29BY/2ndロット) ＜奈良＞ 【686/◯】山泉 (黒澤) 生酛 純米 無濾過生原酒 清水屋オリジナル限定予約酒 29BY ＜長野＞ 【687/◎】櫛羅 純米吟醸 中取り 無濾過生原酒 2017 (29BY/1stロット) ＜奈良＞ 【688/◯】八海山 特別本醸造 30BY？ ＜新潟＞ 【689/◎】仙禽 秋あがり 赤とんぼ 生酛 亀ノ尾 2018 (28BY) ＜栃木＞ 【690/◎】篠峯 純米大吟醸 雄町 中取り生酒「Type M」29BY ＜奈良＞ 【691/△】越乃寒梅 吟醸 別撰 29BY ＜新潟＞ 【692/☆】黒澤 生酛 純米 穂積 蔵付酵母仕込 蔵熟生酒 29BY ＜長野＞ 【693/☆】長陽福娘 限定直汲み 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒 協会18号＋熊本酵母 28BY ＜山口＞ ［sake index］ SAKE GRADE ( ☞ about ) 　初呑みではない酒 (銘柄/商品) については過去ヴィンテージとの比較も含まれるので「insufficient」は出やすい。個人的に「Not On My List」の酒は飲んでいて楽しくはないが「excellent」に振ったモノは品質に問題ナシ。間違いなくイイ酒です。「Not On My List - good」の中には「ま、所詮、この酒はそんなもんでしょ」という無関心が含まれるので、飲んだ人がGoodな気分になるかまでは保証できない。当然「On My List - insufficient」は「Not On My List - good」よりも我が家にとっては重要で価値がある。「marvelous」はかつての☆5以上なので、必ずや飲んだ人の多くに爪痕を残す。「On My List - excellent」の中にかつての☆5に近いモノが時に含まれるのと同様、「On My List - good」が☆4.5に相当する場合もある。 MONTHLY REPORT - 2018/9 　毎度アクセスありがとうございます。 　9月はワインばっか飲んでたので、日本酒は10本だけ。もちろん「越乃寒梅」が一番マズかったわけだが、これより出来の悪いイマドキ地酒なんかいくらでもある。ただ、これは昨今の「生酒至上主義」がもたらしたマイナス面の一端であるような気もする。言うなら「火入れ」も「熟成」もさせない半製品 (飲み頃であることなんかまるで考慮されない未完の酒) を蔵元も現金欲しさに平気でバンバン出すわけで──ま、出せば売れる状況がそこにあるのならそうした時流に乗らないバカはないわけだが──、何も手を加えない搾ったばかりの酒が最初からイキナリ旨いことの方が稀なのに、それでも我々は生酒文化のフィールド中央を猪突猛進しつづける。 　日本酒マニアとやらは様々な種類の酒を「道の駅」のスタンプラリーをこなすように飲み漁ることを主眼とするから──もちろんかつてのオレもその一人である──、残念ながら「その酒の本当のポテンシャルを知らない」という事態に陥りがちだ。それでもそれなりに楽しめてしまうのがイマドキ地酒の──特に「生原酒」や「直汲み生」の──良くも悪くもの豊かな飲み心地なわけだが、しかしながら、よくその程度の関わり方でいつまでも興味が尽きないものだと逆に感心してしまう。 　夏場の厳しい環境 (室温25〜28℃) を数ヶ月ほど耐え抜いた「黒澤 穂積」を高価なワイングラスでチビリとやれば、どんなバカ舌だって大いに仰け反ること間違いないわけだが、こんな簡単な事すら試す根性もないのに、それでもマニアとは笑わせてくれる。与えられた酒だけを飲んでいて何が面白いのかオレにはまるで理解できないが、まだまだ手軽に美味しく飲める酒がたくさんあるということは本当に羨ましい限りである。 「八海山」を飲むと、いかに普段、様々な要素が派手に累乗化された日本酒ばかりを口にしているかがわかる。旨い酒は確かに旨すぎるし日本の宝であり誇りではあるが、反面、あまりにも歪なバランスのまま世に解き放たれた出来損ないの生酒が多すぎることもまた、消し難い事実ではある。それはまるで、その場の何となくの勢いと迫力に押されて冷静に考えれば実は面白くも何ともないのについついゲラゲラと何かの習性のように笑ってしまう良心的な女性観覧者たちに向けて発せられた単に声だけがデカい若手お笑い芸人の練れても磨かれてもいないギャグやコントのようだ。 　そうした絶望と虚無の沼で酔わずとも毒を吐いているさなか、ラベルを見るのもイヤになるほどにロクでもない酒ばかりをここ数年ドロップし続けてきた「仙禽」が不意に原点に立ち返るような力作を示してくれたことはオレに少しばかりのセンチメンタリズムを与えてくれたわけだが、これは蔵付き酵母を取り込んだ生酛の熟成酒なので、残念ながら「再現性」が最も低いジャンルであり、当然、来年に同じような酒が出来上がる保証はどこにもなく、むしろこれを「不可能である」と事前に認識しておくことこそが、期待外れの30BYに苛む心に対する賢い保険となるであろう。そして薄井のヤロウに一つだけ言わせてもらうなら、むしろブレンド (アッサンブラージュ) は「速醸 (ひやおろし) 」ではなく、酒質の安定しない「生酛 (秋あがり) 」でやるべきだ。 　旨い酒は確かにある。だがそれは、実は「在る」のではなく「成る」のである。すぐになるものもあれば、ならないものもある。命の短い酒もあれば死ぬ間際にだけ輝く酒もある。その一瞬を切り取る様は、素晴らしいポテンシャルを兼ね備えたモデルから至高の美をもぎ取る写真家のようであるが、実際にオレは写真屋の息子である。 　シャンパーニュとスティルワインは、9月に記事にした酒の中から、純粋に人に薦められるモノだけを選んでみた。一部「高額商品」も含まれるが、まず、後悔することはない──今までさんざ「後悔」に慣れ親しんで来たキミであるのなら尚更のこと。 moukan1972♂ close

◤MONTHLY REPORT - 2018/9 (日本酒：黒澤/篠峯/櫛羅/ろくまる/長陽福娘/仙禽/山泉/八海山/越乃寒梅/etc.）