▼顧問杜氏の中澤礎氏と現杜氏の黒澤洋平氏。　photo: さくほ町民キッチン　某酒屋の店主が「これのぬる燗は肉ジャガをつまみながらいつまでも飲んでいられます」と言ったから買ったわけじゃないけど、そういや火入れは飲んだことないなと少し反省したことだけは確かな、黒澤 (くろさわ) …… more の、2014ヴィンテージ、26BYです。「蔵内常温貯蔵」の二夏越えなので、2年ほど熟成させてから2017年の5月に出荷された──とはイエイ、瓶詰めが2015年の3月なのでもうすぐ3年熟成になる──、そこそこレアな1本。中身は定番の純吟レシピと同じで、28BYでは、これの生原酒Verを飲んでます。　2014印と言うと、とにもかくにも平仮名の「くろさわ 生酛 純米吟醸 美山錦 無濾過生原酒」が強烈なんだけど、スペックも数値も全く同じだし、同じ仕込み (醪) の処理違いなのだろうか。だとしたら、スゲえ違いだな。　すでに大雪の月曜に、寒い夜だから、開栓しています。　▲星に見えるのは雪──そもそも都会のド真ん中でこんなに星なんか見えない。理屈はわからんが、偶然フラッシュが雪に反射した。奇跡の1枚。　bottle size：1800ml【519】黒澤 -くろさわ- 生酛 純米吟醸 美山錦 原酒 瓶火入れ 二夏越え 2014 (26BY) ＜長野＞黒澤酒造 株式会社：http://www.kurosawa.bizMoukan's tag：黒澤生酛/山廃熟成酒スパイシー▪︎酒米/精米歩合：長野県産 美山錦/55％▪︎酵母：協会901号▪︎日本酒度/酸度/アミノ酸度：＋2/2.0/─▪︎ALC：17.5％▪︎処理：瓶火入れ (2回？) 、蔵内常温貯蔵2年熟成。▪︎酒造年度/製造日/出荷日：H26BY/2015年3月/2017年5月▪︎管理状況：2018/1/8に着、ベランダ (0-10℃) で管理。▪︎試飲日時：2018年1月22日 (月) /篠峯の次に開栓 ▪︎Judgement：On List / Not On List［？］▪︎Grade：marvelous/excellent/good/unsufficient/faulty/undeterminable［？］※On Listの酒に「faulty (失敗している) 」はない。Not On Listの酒に「marvelous (驚くべき) 」はない。On Listの「good」とNot On Listの「good」は同じではない。On Listされた時点で当ブログの嗜好を満たすものとする。「undeterminable (判定不能) 」の酒は各Listに振り分けせず。※「Judgement」「Grade」内の単語は全てリンク済み。　立ち香──あああ、完璧に熟してるわ (笑) 。ただ、柔らかいタッチはあるね。あとは微かに草ライクなハーブアロマ。甘納豆っぽい穀物感もあるし、甘めの芋焼酎みたいなニュアンスもあるが、当然ながら、カっと焼きつくようなアルコール感はない。なんつうか、ホクホクした感じ (笑) ？ こうした香りの肉付きは一部の「篠峯」なんかでもタマに感じるんだよな。直汲みや一連の生原酒の「黒澤」とは全くベクトルの異なる香りの肉。　まずはRS (れいしゅ) で──。　なんすか、これ、草 (笑) 。まだ飲み頃には少し冷た過ぎるけど、それでもジューシイっすねえ。なんだこれ。最後の最後まで酸の灯火が消えないんだけど、外皮はすぐに消える感じ。ちょっと他に似てる酒が出てこないので表現に困るんだけど──唯一近いと思えるのは「群馬泉 超特撰純米酒 山廃造り」か──、同じ「黒澤」の熟成生酒なんかで出会うような落花生 (過激なナッツ) やお酢はない。なんだろうな、これ。ゴムやタイヤみたいな焦げ感もあるんだけど、ブっちゃけ、思ってたより飲めるし旨い (笑) 。　やっぱ独特のハーブアロマあるね。柔らかい乳白色の薄濁ったテクスチャーから入りつつ、すぐに酸がわらわらと沸いて来て、液を小刻みに──まるで羊羹用の食材カッター様に──カッティングするんだよな。甘みのニュアンスは抹茶パウダー的だが、いつものゴワゴワした粉っぽさはなく、柔らかくホクホクした液性。RSゾーンを抜けて10ｰ15℃近辺がいいです。　お燗──。　あんま変わらんな (笑) 。そのまま五味のレーダーチャート (クモの巣グラフ) が外側に拡張された感じだけど、これはなかなか見所のある酒だな。単純に素直に旨いっす。── 2日目。　立ち香──バナナ来たな。しかもリアル・フルーツのバナナではなく、チューイングガムのバナナ味。ややセメダインなミンティーな香気がそよいで、奥から優しくまろやかなカカオ様の熟香。つうかこれ、昭和の懐かしガム「ロッテ Juicy＆Fresh」だよ (笑) 。熟成させることでセメダイン香気が化石化 (固体化) するというか。　少し常温よりのRS──。　あああ、今日は退けにかけて黒澤らしい粉ミネラルあるわ (笑) 。独特の草感もあるが、米の旨みは柔らかく、まるで和菓子のような、お茶請けに良さげな嫌味のない甘み。　常温付近のワイングラスがいいな。ミネラル成分はそこそこ苦くてギシっと軋むけど、全体にはバナナ系スイーツ酒。シルキーなテクスチャーに面で寄り添う上等の酸があって、そのままツルピカ＆スベスベにフィニッシュすると思わせておいて、最後は奥から搾りカスのような渋酸がジリリと沸いて来るあたりに無骨な黒澤イズムを感じて思わずニヤリとしてしまう。　今日は割水したお燗がいいですね。こういう酒は味うんぬんより〝時を彩る系〟だと思うので、そもそもブログ向きじゃない。いちいち記事を書くのが面倒というか、完全プライベートタイム突入というか (笑) 。　いいっすね。この手の火入れの熟成純米って、どれも似たような味と香りになるんだけど、ちゃんと黒澤してるところが得難い。ちょっと甘いけど、最後の軋みがギリギリのところでダレを回避してくれる感じ。燗冷まし──というより、今は冬なので〝不可避なRS自然戻り〟がピチャっと瑞々しくツルピカで尚良し。それでいてヨーモギイ (よもぎ) な草感もあって、こりゃオンリーワンな酒だ。まさに地酒的秘境感MAX。　菊鷹ブレンド──。　ヤバイな。もはや販売したいわ (笑) 。さすがに菊鷹草は抜けて、今は再びラムネっぽい甘酸が出てきた。「篠峯 亀ノ尾 Vert」由来の木香がホロ苦いニュアンスでスパイシネスに寄与してる。しっかりした米の旨みは何由来だ？──まさか来福か！？　Calbee『堅あげポテト匠味　甘辛鶏の山椒焼き味』　ある意味、これスゴい。もはや完全再現レベル。山椒表現なんぞは余裕も余裕として、炭火焼な焦げ感、鷄皮ライクな甘み、甘辛ダレのリアリティと、商品名に一切の嘘はない──GA！──そもそも「甘辛鶏の山椒焼き」をポテトチップス上で再現する必要性がどこにあるのかと思ってしまう。　つまり、肝心のジャガイモとの親和性は完全無視という見落としがあることは否めない。まるで素晴らしいだけの面白くも何ともない手品を見せられたような虚しさ。その野心は買うが、今一度「ポテトチップスに最も合うパウダーは何か」という命題に立ち返るべきだと思う。それこそ「コンソメ」を超える何かを真剣に模索するべき。オニギリで言えば「鮭」「明太子」「シーチキン」「昆布」「梅」に匹敵する何かを生み出すレベルの難しい仕事になるが、新たなスタンダードの登場こそ、オレは待ち望む。── 4日目。　◯◯ vs 黒澤　▲ドラマ『賭ケグルイ』の「蛇喰 夢子 (じゃばみ ゆめこ) 」役は、ある意味ハマリ役になりそうな勢いだが、果たして彼女 (浜辺美波) のキャリアにとって有益なのだろうか──早くも彼女の「黒歴史」になることを危惧する声もある。なんというか、事務所の戦略として、若い層へのアピールより、むしろ年寄り層への知名度を上げるべきだとオレは思うのだけれど、そこんとこ、マネージャーさん、どうお考えなんでしょうか？ これだけの逸材が未だに映画2本と単発ドラマ1本と深夜ドラマ2本でしか主演を張ってないという現実は受け入れ難い。東宝芸能はもっと本気を出せ。　つうか、前にも書いたが、1日も早くNHKの朝ドラの主演と映画での吉永小百合との共演、まずはここを目指すべき。TVの連続ドラマの主演作がギャンブル系漫画原作の深夜ドラマ2本というのは、正直、マネージャーの無能ぶりの証左でしかない。ヲタ層を取り込んでも国民的スターにはなれない。くれぐれも20年に一人の逸材を飼い殺すなよ。若い頃の「長澤まさみ」と比べる向きもあるようだが、どこを見てる。あれはエロ蓮っ葉が魅力なだけ。最近の「石原さとみ」はもはや単なるフェミニズムの権化。「綾瀬はるか」は最近疲れてるし、もともと女優として王道の顔じゃない。「ガッキー」や「有村架純」は最強の凡人。「深田恭子」は美魔女路線を爆走中。やはり「浜辺美波」はモノが違う。もはやオレの中では10年後に「夏目雅子」を超えてる越えてないかの話。あと、歯は矯正中の模様。そんなの子役時代に済ませておけよ。　　ようやく日本酒の話──。　どちらもRSで。なかなかイイ「草対決」だなあ (笑) 。結構似たような味筋ながら、2日目の「◯◯」はユルユルに弛緩。「黒澤」は素晴らしい凝縮感。まるで斬鉄剣で硬い鉱物を真っ二つに割ったかような液の切面に物語性豊かなテクスチャーが宿る。生酛だけにミルキーな量感もあるが、切り込む酸の明度と強度が「◯◯」とは桁違い。もはや比べちゃいけない2本だな。残り半分だけど、ようやくアクが抜けて諸々のアタックや跳ね返りが緩和して来た。イイ酒ですよ、とっても。Shuhari Aiyama (笑) 。moukan1972♂▼28BY黒澤 直汲みランキング▼　1位　Type7 (2016/12出荷、翌年3/25頃開栓)　2位　Type9 (2016/12月出荷、翌年7/28頃開栓)　3位　Type7 (2016/12月出荷、翌年12/9開栓)　4位　レッド (2017/3出荷、同年6/22頃開栓) 　5位　ブルー (2017/3出荷、翌年1/13開栓) 　6位　イエロー (2017/3出荷、同年4/24頃開栓) close

◤黒澤 - 生酛 純米吟醸 美山錦 原酒 瓶火入れ 二夏越え 2014 (26BY) ＜長野＞ ── dಠಠb「やはり若手杜氏の中では別格」#Well-Cured/Spicy #Calbee『堅あげポテト匠味 甘辛鶏の山椒焼き味』