bottle size：720ml　日本酒最大の問題点──それは開けるまで旨いかどうかが全くわからないこと。逆にそこにワクワクすることもまた事実だが、客人を招いて楽しい時間を過ごすのに予想外のサスペンスやミステリーは要らない。dಠಠb「これ、旨いんだぜ〜」と自慢しながらサクっと…… more 開けてザクっとドヤ顔したいんだよ (笑) 。　最近わかったんだけど、日本酒マニアというのは不思議な生き物で──オレもある意味そういう面は否定しないが──、それが旨くなくても〝それを語ること〟で最低限のエンタテインメントを担保できるんだよな。持ち寄りの日本酒会なんてまさにそういう光景だろ。5人が1本ずつ持ち寄って5本ともイマイチでも会の存続にとって死滅的な支障はきたさないというか。結局ブツクサ言いながらそこそこ楽しめてしまう。これがワインやシャンパンだったらみんな黙り込むぜ (笑) ？《結論》▪︎日本酒マニアは誰でも修業僧、もしくは菩薩。　というわけDE、こういう時のためにオレは旨いとわかってる酒を買っておく、実に4本目の長陽福娘 (ちょうようふくむすめ) です。27BYに関しては同時発売された「18号＋熊本酵母ヴァージョン」も死ぬほど旨かったんだけど、オレがバカだったから買い増せなかった──ううう、2016年の12月頃までは普通に残ってたんだよなあ。　なにげに4本とも同じ店で買ってるので、数値もロットも全く同じです。直汲み生なので多少の瓶差はあるのと、生酒の場合、同じ条件でも酵母が全く同じ働きをするとは限らないのとで、正確には開けるまで完全に不安が払拭されるわけではないものの、今回も大丈夫でした。【512】長陽福娘 -ちょうようふくむすめ- 限定直汲み 純米吟醸 山田錦50 無濾過生原酒 山口9E酵母 27BY 4本目！＜山口＞岩崎酒造 株式会社：http://www.fukumusume.jpMoukan's tag：長陽福娘1本目2本目3本目熟成酒甘口▪︎酒米/精米歩合：山田錦/50％▪︎酵母：山口9E▪︎日本酒度/酸度/アミノ酸度：＋2.0/1.6/─▪︎ALC：16-17％▪︎処理：直汲み生原酒▪︎酒造年度/出荷日：H27BY/2016年3月▪︎管理状況：2017/6/30に着、2-3℃で管理。▪︎試飲日時：2018年1月13日 (木) /上喜元の次に3本目として開栓。▪︎Judgement：On List / Not On List［？］▪︎Grade：marvelous/excellent/good/unsufficient/faulty/undeterminable［？］※On Listの酒に「faulty (失敗している) 」はない。Not On Listの酒に「marvelous (驚くべき) 」はない。On Listの「good」とNot On Listの「good」は同じではない。On Listされた時点で当ブログの嗜好を満たすものとする。「undeterminable (判定不能) 」の酒は各Listに振り分けせず。※「Judgement」「Grade」内の単語は全てリンク済み。　立ち香──初日の開けたては静かな立ち上がり。ほんのり蔵癖ライクな「草」や「布」を感じるものの、バニラの粉雪も舞わず、プリンの輪郭もない。グラスに注ぐと甘やかなラインが伸びて来るが、露骨な熟香はあまり育ってないし、むしろ先日飲んだ28BYの山口9Eの方が熟成酒としての愛らしさは出てるので、やはり27BYの長陽福娘は強いんだと思う。2日目はしっかりバニラ香も出てきたけど、ミネラル香は穏やかなので、粉雪が舞うニュアンスはない。全体にはスイーツな甘やかさのある香り。奥の奥で果実的な酸もあるが、どうにもオレにはこれが〝お餅の酸〟に感じてしまうことが多くて (笑) 。　ガスは少し残ってますね。問題なく素晴らしい酒ですが──客人は大いに感動──、個人的には3本目の方が良い仕上がり。この4本目は若干ストラクチャーが緩い。その分、なぜか3本目よりも瑞々しさと透明感はあるけれど、これまた皮肉なことに、そうなると、若干、退けにかけてのミネラル由来の苦み＆パウダー感がエアリーにならない──つまり、粉雪は舞わない。より液性が透明なので、諸々のアタックが相対的に強く感じられる瞬間がある。　とはイエイ、酸のプレスがイイ塩梅に効いてくるので、甘みと旨みが潰されて酸と合一することで小さなジューシネスがコアに宿るアプローチがあって、この風景は、まさに花びらを1枚1枚めくっていって最後の最後に奥から可憐で小さな実が現れるような感動をもたらす。　2日目──は甘みも膨らんでプリンのお酒を感じる瞬間が増えるものの、やはり〝道の酸〟に導かれて素晴らしい口どけをもらたす。　♡☺♡「この安心感！ 旨い！」　もう何本も呑んでるし書いてるので、いちいち何かを探しに行くこともなく──今回は下書きを一切していない──、このクラスの傑作酒に対してでも実にリラックスして気負いなく楽しめることが何より嬉しい。監督を退任して、ようやくテレビで素直に野球観戦を楽しめるようになった原辰徳もきっとこんな気持ちだろう。　この前に呑んだ「Shuhari Aiyama 2014」と「上喜元 愛山43」さえなければ、この日の晩酌はもっと素晴らしい幸せに包まれていただろうが、まだまだ修行僧なんだから仕方ない。もはやmoukan1973♀は「長陽福娘」だけを飲む夜でありたいようだが、オレの気持ちも半分はそうでありたいと願っている。moukan1972♂＆moukan1973♀ close

◤長陽福娘 - 限定直汲み 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒 山口9E酵母 27BY 4本目！＜山口＞ ── d＋＋b「さよなら、27BY・・・」#Sweet/Well-Cured